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2020.05.09

相対音感のための階名唱:跳躍を含むオクターブの練習

次は3度で跳躍してみましょう。
3度というのは、「ド→ミ」や「レ→ファ」のように、間をひとつ飛ばした音程のことを指します。
こちらも譜例はハ長調のものですが、音源はそれ以外の調性でも演奏されています。 跳躍音程が難しくて取れないと思ったら、間の省いている音を入れてみましょう。 下降音形でも練習してみましょう。 これも難しければ、間に補助的に音を入れましょう。 このように、跳躍する音程も間に音を入れながら取れるように練習していきます。…
2020.04.03

相対音感のための階名唱:オクターブの完成

和音の練習を拡大するために、残りの「ラ」と「シ」を一気に練習してしまいましょう。
これで階名が全て揃いますので、臨時記号(音階に含まれないフラットやシャープ)を含まない曲はすべて演奏出来るようになります。 まずは基本の順次進行を完璧にするために、いくつかの調性の上行形を練習しましょう。 最初4カウントで主和音(ドミソ)、その後4カウント空いて1拍ずつ上行する音階が流されます。
最初の主和音だけ聴いて一時停止し歌ってみて、その後音源に合わせて歌ってみてください。
楽譜にするとこんな感じです。これはハ長調の場合の楽譜ですが、音源はハ長調以外に色々な調性で演奏されます。
(画像を押すと拡大されます)
下降の順次進行も練習します。おそらくこちらの方が難しく感じるかと思いますので、丁寧に、音程が下がりすぎないように気をつけてみてください。
練習のやり方は上行形と同様です。このような順次進行が基本になるので、ゆっくり丁寧に練習してみてください。 続きます。…
2020.03.15

相対音感のための階名唱:和音練習

さて、ここまでで「ドレミファソ」の5つの音階について感覚を磨いてきました。
「ソ」までの音階が使えると、ここで和音を作ることが出来るようになります。 このような響きのする和音を長三和音と呼びます。
何が長いのか?、というのは音楽理論の勉強の範疇になってしまうので、ここでは割愛します。

明るい印象の響きがする和音です。
「ド」の音を聴いたら、「ミ」と「ソ」を加えて、この和音の響きを頭に思い浮かべられるように練習しましょう。
もちろん、声は同時に1つの音程しか発音出来ないので、声に出して歌う時には「ドーミーソー」と歌えばOKです。

以下の音源は、最初に「ド」の音だけ鳴らします。
少し間を置いてから、「ドミソ」を順番に鳴らし、最後にまとめて和音として鳴らします。 1オクターブ内に音は12個ありますので、ここに挙げた12個が長三和音の全てです。
(もちろん、オクターブの違う音はありますが)どれを聴いてもすぐに歌えるようであれば、長三和音は完璧でしょう。
この和音の感覚は調性の感覚につながっていきます。これまでの課題と合わせて練習してみてください。…
2020.02.25

相対音感のための階名唱:例題10(d・r・m・f・s)

引き続き、「ドレミファソ」の5音の練習です。
出だしの音が取りづらい問題も含まれていますので、一回で出来なくても気にせず、出来るまで何回もトライしましょう。
次回は和音を使った練習を行います。…
2020.01.21

相対音感のための階名唱:例題9(d・r・m・f・s)

扱う階名が増えれば増えるだけ、演奏できる曲は増えていきます。
ただ、階名が増えればそれだけ音程の種類も増えていきます。
丁寧に確実に音程が取れるように、単純な練習ですがやってみてください。 なお、これらの練習はいわゆる「音程のはしご」を作る作業です。
音の幅に対する感覚を磨くための練習ですので、1回歌えるようになったら終わり!ではなく、当たり前に出来る問題を繰り返し完璧に歌うことが大切です。…
2019.12.16

相対音感のための階名唱:例題8(d・r・m・f・s)

では、改めて練習用の曲で階名唱の練習をしてみましょう。 まずは「d」を決めたら「drmfs」の音程を順次進行で確認してください。
音程がわからなくなったら常に順次進行に戻りましょう。
訓練が浅いうちは最初に始めた高さがわからなくなってしまうこともありますが、練習するうちに慣れてくるはずです。 楽譜は画像をクリックすると拡大されます。
音源を聴きながら楽譜を見たい場合は、音源を再生してから楽譜を拡大すれば、楽譜を見ながら音源を聴くことが出来ます。…
2019.11.14

相対音感のための階名唱:例題7(d・r・m・f・s)

前回は短い曲でしたが、今回は少し長めです。 ↑クリックで拡大されます↑ 前回と同じく、まずは最初に「d」の音を決めましょう。
高さを決めたらそこから「ドレミファソ」と順次進行で音の高さを確認しましょう。 今回の曲は最初からいきなり跳躍音程で始まりますので、今回は跳躍音程の練習もしてみましょう。 1. まずは順次進行で「ドレミファソ」を声に出して歌います。
2. 次に、「ド・ミ・ソ」を声に出して歌います。「・」のところは、レとファを心の中で歌い続けて、声には出さないようにします。
3. 何回か音を飛ばして歌うことに慣れたら、「ドミソ」を続けて歌います。この時、レとファは心の中でも飛ばします。
4. 上行音型でうまく歌えたら、今度は「ソファミレド」と上から声に出して歌います。
5. あとの手順は同じです。それが出来たら「ソ・ミ・ド」と、ファとレを心の中で歌いながら、声には出さないようにします。
6. 慣れたら、続けて「ソミド」で歌います。この時、ファとレは心の中でも飛ばします。 同じような方法で「ドレファ」や「ドファソ」など、「ドミソ」以外の組み合わせも練習してみましょう。 次回は過去の例題のような練習課題に取り組んでみたいと思います。…
2019.10.06

相対音感のための階名唱:例題6(d・r・m・f・s)

さて、階名も5種類に増えました。
5つの音が使えると、演奏できる曲が格段に増えます。 例えば、この曲。
↑クリックすると拡大されます↑ まずは「d」の高さを自分で適当に決めましょう。
そしてその基準の音から、「ドレミファソ」と声に出して音階を歌ってみましょう。 どうでしょう。自信を持って音程が作れましたか?
この曲で使われているのはその5つの音だけです!
あとはその順番が違っていたり、伸ばす音の長さが違うだけです。 この曲はほとんどの部分が順次進行です。
順次進行というのは、音階の隣り合った音へ進むことです。 「ド」なら下がって「シ」に進むか、「レ」に上がるかすれば、それは順次進行です。
「レ」だったら下がって「ド」か、上がって「ミ」ですね。 一方、例えば2小節目の裏拍に移る箇所や3小節目の2拍目や4拍目には、順次進行でない箇所がありますね。
これを跳躍進行といいます。
読んで名の如く、音が跳んで進むことを指します。 基本的に音の幅が跳べば跳ぶほど、音程は取りづらいものです。
最初は一つ跳ばしの音程(3度の音程)から慣れましょう。
一箇所だけ「r」から「s」に跳ぶところがありますが、もし音程が取れなければ冒頭と同じメロディですので、それを頼りにして。 なんとなく歌ってみたら、下の音源を聴いてみてください。楽譜だけ見てあまり歌えなかった方も、音を聴いてみたらすぐに何の曲かわかるはず。
曲がわかれば、次は自信を持って音程が取れると思いますので、階名をつけながら何回も歌って、音程感覚を身に付けましょう。 下の音源は最初に主和音(d・m・s)の和音を鳴らしたあと、曲が演奏されます。
4つの音源はこれまでと同じように、それぞれ違う基準音(調性)です。
基準音を変えて歌えるかどうかも、チャレンジしてみてください。…
2019.09.10

相対音感のための階名唱:例題5(d・r・m・f)

前回に引き続き、d・r・m・f の4つの階名を使った課題です。 「d」から「f」に飛ぶのが苦手という人、「r」から「f」に飛ぶのが苦手と言う人、反対に「f」から下がってくるときに音程がわからなくなる人、様々に感じる方がいることと思います。これは、これまでの音楽経験によって、得意な音程、苦手な音程が人それぞれ異なっているからです。 手元に楽器のある人は、自分で新しい「d」を決めて、続く音程を探しながら演奏してみるのも良い練習になるかと思います。














2019.08.14

相対音感のための階名唱:例題4(d・r・m・f)

前回は「d」「r」「m」「f」の4音を使用した問題を練習しました。
使える音が増えれば旋律も豊かになりますが、その分音程も複雑になっていきます。
答えを聴かないとわからない音程も増えてくると思いますので、その場合は答えを聞いてから歌ってOKです。 階名唱は、頭の中に音程の梯子を作る練習です。
一度歌ったら終わりではなく、声を出さなくても頭の中に音が鳴るまで繰り返し練習しましょう。 ■例題4-1


■例題4-2


■例題4-3


■例題4-4


■例題4-5


2019.07.14

相対音感のための階名唱:例題3(d・r・m・f)

前回の記事では「ド」「レ」「ミ」の3つに触れましたが、ここからは「ファ」を追加してみます。
そして、ここから階名の表記方法を少し変更します。
「ドレミファソラシ」→「do re mi fa so la ti」とイタリア語表記に置き換え、さらにそれぞれの頭文字だけを残して、「d r m f s l t」とします。
「d」と書いてあれば「ド」、「r」と書いてあれば「レ」と発音してください。「t」は今後この練習の際は「ティ」と発音することになりますが、今は「シ」でも構いません。慣れてきたら「ティ」でも歌ってみてください。
音源は上から1問につき2つずつです。
最初に「ド」が鳴り、少し間が空いて答えが流れますので、最初は「ド」だけ確認したら一時停止して自分で歌ってから答えを確認するようにしてください。 ■例題3-1


■例題3-2


■例題3-3


■例題3-4


■例題3-5


2019.07.11

相対音感のための階名唱:例題2(ド・レ・ミ)

「ド」「レ」「ミ」の3種類の階名を使った問題をもう少しやってみましょう。
ここに挙げた5つの問題、それぞれに2種類の「ド」と、それを「ド」とした時の解答音源を用意しておきます。
再生すると最初に基準音が鳴り、少し間を開けてから解答が流れます。最初に基準音を聞いたら一時停止し、自分で歌ってみてから続きを再生してください。
慣れてきたら、自分なりの「ド」から歌う練習もしてみましょう。
5番目の問題は開始音が「ミ」ですが、最初に基準として鳴らしているのは「ド」です。基準の「ド」から「ミ」の音を取って始めてください。
■例題2-1




■例題2-2


■例題2-3


■例題2-4


■例題2-5


2019.07.09

相対音感のための階名唱:例題

では、例題として下記の問題に取り組んでみましょう。 ■例題1
わずか2音で構成された問題ですが、音程の基本はここからです。
さて、楽器を使わずに「ド」の高さを決めましょう。ここでいう「ド」は固定の「ド」ではなく、階名としての「ド」ですから自由な高さで構いません。音楽経験があり、固定ドに馴染んでいる方であれば、むしろ固定の「ド」でないことを意識し、音名の「ド」とは異なる音を設定した方が意図した練習になります。
そして、歌う際にもうひとつ気にかけてほしいことは、「ド」から動き始めた音が「レ」に展開して、再び「ド」に戻ってくる感覚を意識することです。「ド」に戻ったときに安定感を感じられること、これが『調性感』の第一歩と言えます。
上の3つの音源はそれぞれ上から「ハ」「ニ」「ホ」音です。
このそれぞれを「ド」として、例題1を歌うと以下のような音程になります。
音程を取ることに慣れていない場合は、まず上の音源を参考に使用してください。
上の3つの音以外にも、慣れてきたら様々に「ド」の高さを変えましょう。
どの高さにおいても「ド」に安定感を感じ、自身を持って音程が取れるようになったら次の練習に移ります。 ■例題2
十二平均律に則って、ここでは「ド」と「レ」の音の幅と「レ」と「ミ」の音の幅は同じと考えることにします。ですので「ドレド」と「レミレ」は全く同じ音程を違う音高で繰り返していることになりますが、実際に歌ってみると、「レミレ」と「ドレド」の感覚は大分異なります。具体的には「レミレ」は「そこでは終われない・次に進みたい感」があり、最後の「ドレド」で安定して終わりを迎えます。これも「調性感」があるからこそ感じられるものです。
音と音の幅を感じて、なおかつ「ド」に戻ってきたときに安定した感覚が持てるように、繰り返し歌ってみましょう。
2019.05.29

音名と階名3

音名と階名は全く別のものですが、日本では音名も階名も同じ「ドレミ」を使うことが多いため、混同してしまっていることも少なくありません。小中学校の音楽の授業で階名を扱うことになってはいるものの、専門的に勉強をしている人でもなければ、階名の存在はなかなか認識されないのが実情です。日本では一般的にドレミを使って歌うときは「音名唱」であることがほとんどでしょう。
 

 一般的に音楽は「音階」を用いて作られます。最もよく使われるものは「長音階」と「短音階」と呼ばれるものです。「ハ長調」とか「イ短調」とか、学校の音楽の授業で聞いた記憶がある人も多いかと思います。
 

ハ長調は、「ハ音」を基準音として作られた「長音階」、イ短調は、「イ音」を基準音として作られた「短音階」を指します。「長音階」も「短音階」も、基本は7つの音で作られており、それぞれの音の幅は2種類あります。これを日本語では「全音」と「半音」と呼びます。
 7つの音の配列のどこに「全音」の幅が来るのか、「半音」の幅が来るのか。これによって長音階なのか短音階なのかが決まります。長音階の場合、3音目と4音目の間と、7音目と1音目(オクターブ上)の間が半音、それ以外が全音で構成されています。短音階だと、2音目と3音目の間と、5音目と6音目の間が半音、それ以外は全音となります。どちらの場合も「全音5つ」と「半音2つ」の組み合わせです。長音階であろうと短音階であろうと、基本的にこのルールは変わりません。
 相対音感をより働かせるためには、決まった高さの音に名前を与える「音名」ではなく、音階の主音を基準とした「階名」を考えるようにします。長調の場合は、基準音を「ド」として、短調の場合、基準音を「ラ」として階名を振ります。長調と短調で基準音が変わるのは紛らわしい部分もありますが、その一方で「階名の名前と音程幅が完全に一致する」という大きなメリットがあります。
この読み方だと長調でも短調でも、ドとレの間は全音、レとミの間も全音、ミとファの間は半音となります。隣り合った二つの音だけでなく、例えばドとミなら長三度、ファとシなら増四度といった具合に、どのような組み合わせでも音の幅が一致します。これが相対音感の訓練のために非常に役に立つ、というわけです。
さて、理論ばかりでなく、次は練習問題に取り組んでみましょう。
 …
2019.05.29

音名と階名2

階名唱は音を階名で歌うことを指すのですが、その説明の前にまず「音名」と「階名」が具体的にどのような「音」を表すのかを明らかにしておきましょう。
 「音名」とは「絶対的な音の高さを示すための名称」であり、「階名」とは「相対的な音の高さを示すための名称」です。「絶対」と「相対」の対比は音感にも使われます。前回出た「絶対音感」と「相対音感」です。
 前回の記事でも少し触れましたが「絶対音感」は他の音を参照せずとも音の絶対的な高さがわかる音感のことを指し、「相対音感」は基準音と与えられた音の差がわかる音感のことを指します。
 

 こうして比較すると、基準音を必要とせずに具体的な音の高さがわかる絶対音感は大変便利な能力のように見えますし、実際に役立つ場面が多いことは疑いようのないことです。ですが「絶対音感で音楽が認識出来るか」と問われれば、それはまた別の話になります。なぜなら音楽というものは一音だけでは成立しないから。ひとつの音楽を成立させるためには複数の音の集まりが必要であり、その音の集まりを音楽として認識するためには、それら複数の音の間に繋がりを感じる必要があります。私たちが「音楽を聴く」ときに「音と音の間に繋がりを感じる」のは絶対音感ではなく相対音感の力なのです。
「音楽を聴く」ということに限らず、「音楽を奏でる」ときにも相対音感は重要な働きを持ちます。音程の良し悪しは絶対的な音の高さで決まるものではなく、「関連しあう音の高さの差が心地よい幅であるかどうか」が鍵となるからです。音程は生き物のようなもので、たとえ慣れ親しんだ曲であったとしても状況に応じて微妙に変化が生じますので、常に音の幅は意識される必要があります。わずかな狂いも見逃さない絶対音感は相対音感の代わりになるかもしれませんが、前回の記事で触れた通り、絶対音感はある程度の年齢を過ぎると身につけられませんし、鍛えることも出来ません。また、絶対的な音程の認識を常としているほど、周りの音ではなく自分の頭の中に存在する基準音と比較して音程を取るため、相対音感は弱っていく傾向があります。音同士を比べない絶対的な音の高さの認識は音幅に対する感覚が薄くなりますので、結果として音程の甘さに繋がることになります。逆に言えば、音程の甘くなってしまう人は、相対音感を意識することで改善する可能性があると言えます。
 さて、そんな相対音感ですが、もちろん楽器を習ったり歌ったりすることで少しずつ鍛えられていきます。ただ、相対音感を意識した練習をするかしないかで、その効果は全然違ってきますし、特に絶対的な音程の意識が強くなればなるほど、相対音感は弱くなる傾向があります。カラオケで原曲通りの調性ならきちんと歌えるのに、調性を上げ下げすると全く音程がわからず音痴になってしまう人は、絶対的な音の高さに頼りすぎていると言えるでしょう。
 では、階名唱を使うとどうして相対音感が鍛えられるのでしょうか。というのはまた次のお話。…
2019.05.29

音名と階名1

演奏するということは、歌にせよ楽器にせよとても楽しいことです。練習を積み重ねるうちに、もっと上手に演奏出来るようになりたい、と考える方は多いのではないでしょうか。
 上手な演奏というのは色々な要素から成り立っています。例えば歌の場合、「共感される歌詞の解釈」「美しく聞こえる発音」「正しい音程」「正確なリズム」などなど、いくつもの要素が関わり合って演奏は作られていきます。
 その中のひとつ「音程」という要素は多くの方が苦労していると感じています。音程感覚(音感)は子どもの頃から音楽に触れていると自然に発達していきますが、ある程度大人になってからいざ「音感を鍛えよう!」と思い、むやみやたらに歌っても良い音感は身につきません。この辺りは語学の習得と似ているのかもしれません。
 そこで、ここでは音感というものがどういうものなのか、それを効率的に鍛えるにはどういう訓練をすれば良いのか、ということを考えたいと思います。 「絶対音感」という言葉は多くの方が聞いたことがあると思います。これは聴こえてきた音の高さが認識できるという能力のことです。ただ、「絶対音感」にもいくつかの程度の差があります。楽器に限らずどんな音でも音の高さが認識できる人もいれば、楽器でもピアノに限り、かつ白鍵の音ならば大体わかるけど黒鍵の音はいまいちわからない、という人まで様々です。後者をここでは便宜上「なんちゃって絶対音感」と呼ぶこととしますが、これは実のところ「絶対音感」ではない可能性があります。「なんちゃって」の人は、自分の中で記憶している基準音と聴こえてくる音を比較しています。聴こえてきた音を直接判別しているわけではないため、間違いも多くなりますし、そもそも慣れている音でないと比較が出来ないので、自分が弾ける楽器以外の音は全然わからない、ということになります。
 ただ、ここで、「私、少しは絶対音感持ってると思ってたんだけど、ショック……」と思う必要は全くありません。音感は絶対音感だけではないからです。むしろ絶対音感は演奏している時にはほとんど必要のないものであり、実際に演奏している時に働かせなければならないのは「相対音感」と呼ばれる音感です。
 「相対音感」とは、ある音の高さを基準としながら、他の音の高さを相対的に測っていくような能力のことです。これは人間関係を思い浮かべると少しわかりやすいかもしれません。一人ずつ見ればどの人も同じ人間ですが、私とこの人は親子、私とこの人は友達、私とこの人は犬猿の仲……等、二人いればその間には何かしらの関係性がありますよね。音もそれと同じです。この「相対的な音の認識力」を「相対音感」と呼びます。「絶対音感」は子供の頃でないと身につかないと言われていますが、「相対音感」は練習次第でいつからでも身に付けることができます。では、どうしたら身につけることができるのか。この訓練に便利なのが「階名唱」です。…