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2020.08.10 written by Kikawa メモの魔力 -The MAGIC OF MEMOS-

前田裕二著 「 メモの魔力 -The MAGIC OF MEMOS- 」 幻冬舎

 なんとなくタイトルに惹かれて手に取りました。筆者の語るメモ術とは、「すべてを言語化する」ところから始まります。具体的な出来事はまず具体的に書き留める。そして、内容を抽象的な事象に置き換え、それを別の具体的なものに転用していきます。
 「なぜこの映画は面白いと感じるのか?」「なぜ私はこの曲がこんなに好きなのか?」「なぜこの演奏者を好きだと思うのか?」単純に「良いものは良い」で済ませずに、そこで思考すること。その「事象」のコアとなる部分を抽出し、それを別のものに当てはめることで新しいアイデアを生み出そうとする試みです。特に芸術というものは、「良いものは良い」とか、「好きなものは好き」のような直感的な閃きも大切ですが、そこから要素を抜き出して具体化させる作業は、その人の「幅を広げる」ことに繋がるのではないでしょうか。今の自分からは出てこないアイデアを求める人、新しいアプローチを探りたい人に役に立つ本です。

メモの魔力 -The MAGIC OF MEMOS-