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2020.03.23 written by Kikawa 石川くん
枡野浩一
「 石川くん 」
集英社
ここで言う「石川くん」というのは、かの有名な詩人である石川啄木のことを指します。この本は、そんな石川啄木をテーマに、2001年の5月から7月にかけて「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載されていたエッセイをまとめて、加筆されたものです。読めないとは言えないまでも、啄木の詩は現代の日本語から少し隔たりがありますが、そんな彼の短歌が歌人である著者の訳とエッセイによって、親しみ深く描き出されています。代表的な短歌の対訳と、それにまつわるエピソード、本の最後にはエッセイのような年表もついています。
越谷達之助の「初恋」など、多くの作曲家が石川啄木の短歌に曲をつけていますので、啄木の短歌を題材とした曲を演奏する際に何かしら気づきが得られるかもしれない本です。歌がより生きた言葉として感じられる一助になるでしょう。
石川くん