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2019.09.09 written by Kikawa 新 インナーゲーム 心で勝つ!集中の科学

W・T・ガルウェイ著 後藤新弥訳・構成 「 新 インナーゲーム 心で勝つ!集中の科学 」 日刊編集センター

 この本は、自らが本来持っている能力を最大限発揮するための考え方を身につけるための本です。この本はスポーツ、特にテニスを中心に書かれていますが、その手法は演奏者に取っても非常に有用な手法です。
 人は演奏中、どんなことを考えているでしょうか。「もっとここはこうしなきゃ」、「もっと身体のこのあたりをこういう風に」など、自分自身に話しかけることは珍しくありません。自分が自分に対して何かを強制しようと働きかける。すると、身体は気持ちが先に立ち、必要のない筋肉にまで余計な力みを生みます。結果、思った通りにはならず、思考はまた自分自身の失敗を責める……と、負のスパイラルに陥るのがいわゆるスランプでしょうか。
 インナーゲーム理論では、「命令する自分」と、その命令を受けて「身体を動かす自分」を別のものとして考えます。いかにして「身体を動かす自分」の邪魔にならないように「命令する自分」と「身体を動かす自分」を協力させるにはどうすればいいか、というのがこの本の目的とするところです。
「練習ではうまく出来るのに本番では出来ない」「それ1つに集中すれば出来るけど、他のことを考えると出来なくなる」「どう考えて練習すればいいかがわからない」などという悩みを抱えている人の助けになってくれるはずです。

新 インナーゲーム 心で勝つ!集中の科学