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2019.06.17 written by Kikawa 歌手ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと

メリッサ・マルデ/メリージーン・アレン/クルト=アレクサンダー・ツェラー
小野ひとみ監訳/若松惠子・森薫訳
「 歌手ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと 」 春秋社

「からだ」を理解することで、身体は本来の力を発揮する。私は「ボディ・マッピング」をこのように解釈しています。
息を吸おうと思うと肩に力が入ってしまう、気がつくと歌っているときに爪先立ちをしている等、「やりたい行動に関係のない余計な力み」が生まれる原因のひとつは、その行動がどのような原理で行われるのかという自覚がないことです。息を吸うために必要な筋肉と息を吐くために必要な筋肉は違うものですし、その動き・働きも異なります。ひとつひとつの筋肉は縮むか元に戻るかの機能を持っているに過ぎず、膨大な種類の筋肉が複雑に働きあって、私たちの複雑な動きを可能にしています。
「私は何をしたいのか、そのためにはどこがどう動いてくれればいいのか」
単純な問いですが、自分自身へのその問いかけが正しく身体を使うための第一歩であり、この本はそのための大いなる助けになってくれるでしょう。

歌手ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと