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2019.05.29 written by Kikawa コールユーブンゲン

フランツ・ヴュルナー著 信時潔訳 「 コールユーブンゲン 」 大阪開成館

コールユーブンゲンを試験課題として設定している音大は数多くあります。試験課題として設定されているのはそれ単体で曲として完成されている楽譜が殆どですが、この教材の真に重要なものはそれ以外の部分にあります。ヴュルナー自身、第二版の序文で教材が正しく実施されていないことを訴えていますが、この曲集の最も重要な練習は和音練習による調性感の育成です。無視されがちな数字譜による練習も、優れた相対音感のためには有効な練習でしょう。単にピアノで弾いた通りの音程を真似して歌うだけでなく自分自身の力で音程を取る練習のため、また、音をそれ単体で取るのではなく音楽の流れの中で感じ取るような力を身につけるために利用したい教材です。

コールユーブンゲン