murmur


2019.06.10 written by Kikawa 声楽家が下の親不知を抜くと歌に影響は出るのか

むかーしむかしあるところに、28歳になってもまだ親不知を抜いていなかった男がおりました。

彼は虫歯とほとんど縁がなく、歯医者にも全然行かなかったので、20歳の頃にイヤイヤ行った歯医者で言われた
「親不知、抜かなくて大丈夫だね」という言葉を免罪符に、これまでずっと親不知を放置してきました。

ある日、男がふと上の歯の親不知の裏側に舌を当ててみると、なんと穴が開いているではありませんか。

「これは……虫歯?」
と思いながら1年以上放置していたところ、穴は少しずつ大きくなっていきました。
痛くはなかったもののさすがに怖くなってきた男は、近くの評判の良い歯医者へかかることにしました。

当然のように叱られ、虫歯の診断を受けて抜歯することになったのですが、男は毎週歌わなければならない予定が入っていたため、実際の抜歯は1ヶ月後に。
下手に空いてしまった1ヶ月間、インターネットで抜歯について調べては恐怖に身をよじらせる日々を過ごしました。

さて、実際に抜歯する日がやってきました。
「はい、麻酔しますよー」との掛け声で歯茎に注射を射たれるのですが、これが少し痛かった。
男はどうやら麻酔が効きにくいらしく、1回では麻酔が足りません。

麻酔が足りないと抜くときに痛みが走ります。それが怖くて、いつ抜くんだいつ抜くんだいつ抜くんだいつ抜くんだいつ抜くんだいつ抜くんだ……と思っていたら、気づかないうちに抜けていました。

麻酔が効くまで20分くらいかかりましたが、抜く作業自体は30秒くらい。
麻酔が切れると流石に痛みはありましたが、痛み止めを飲めば耐えられる程度で、一晩寝ると痛むこともなくなりました。
空いていた穴も1ヶ月もすれば元通り塞がり、歌うことにはなんの影響も出ませんでしたとさ。

めでたしめでたし。

————

本題はここから。
「声楽家がの親不知を抜くと歌に影響は出るのか」

そう、問題なのは下なんですよ。
実際私が抜くときにも、後の痛みが残ったのは下の歯でした。
親不知は下の歯を抜くときのほうが大変だという情報はたくさん出てくるものの、「歌を生業にしている人が抜歯する話」がその当時ほとんど見つかりませんでした。
(今あるかどうかは調べてないけれど)
親不知の抜歯に対して恐怖を抱く人は多いだろうし、きちんと記録をつけておけば、同じような状況の人の助けになるはず!と思ったのが2016年4月。

最初は昔のブログの記事をこの続きに載せればいいかと思っていましたが、今読み直すとなんだかとても恥ずかしい。
もう少し読めるように書き直さないととても出せないので、それはまた次回。
あれ、本題に全く入らずに終わってしまった。


続き。
声楽家が下の親不知を抜くと歌に影響は出るのか その2