murmur


2023.09.02 written by Kikawa 不思議な冒険の終わりに

一週間前になりますが、モーツァルト作曲『魔笛』の舞台が終わりました。

私が演じたタミーノという役は、この物語の主役です。
この物語は、彼がいきなり大蛇に襲われているところから始まります。

情けないことに気を失ってしまいますが、気がついた時には大蛇は倒されていて、不思議な鳥人間や、夜の女王に仕える3人の侍女に出会います。
そして侍女たちから渡された絵姿の女性、パミーナに一目惚れをし、彼女を助けに行ってくれと、母である夜の女王に懇願されます。

3人の童子に導かれ、憎むべき敵であるザラストロの住まいへ行くと、そこに現れた僧侶からは「いやいや、ザラストロは聖人やで、悪いのはあっちや」と言われる始末。
そして、ザラストロに導かれるがまま、試練を受けることに。

タミーノというキャラクターは、あまりにも純粋なキャラクターです。
夜の女王に「ザラストロが悪いやつ」と言われればそれを信じ、「女に騙されるな」と言われれば、お世話になった侍女たちも当たり前に遠ざける。

オペラの筋書きにツッコミを入れてはいけないものですが、笑
それでも自分の中でタミーノの発言や動きに正当性を持たせるために、楽譜や台本を読んで、彼のことを考える時間はとても楽しいものでした。

今回、7年ぶり(!)にオペラの舞台に立ちました。
しかもオーケストラ伴奏で主役を歌うのは初めての経験です。
いくら練習室で歌う経験を積んでも、やはり舞台に立つ経験は何物にも変えられないものがあることを改めて感じます。

何より、オペラの上演というのは本当に大変!!
たくさんの人の力で成り立っているものだと、改めて感じる毎日でした。
このような場で歌わせていただけることを心から感謝して、また舞台に立てるように精進しなければと気が引き締まりました。

共演した皆様、裏方として動いてくださった皆様、そして来場してくださった皆様、本当にありがとうございました。
たくさんの方に喜んでいただけてとてもしあわせです。

魔笛の終わりと共に、私の夏休みも終わりを告げました。
おかげさまで今年の夏はとんでもなく忙しく終わって、エネルギー切れです。笑
しばし舞台から離れて裏方に徹します。次の舞台は年末です!