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2019.12.05 written by Kikawa イタリア語の勉強のための参考書・辞書をまとめてみる

いやあ、語学。
語学の勉強って、大変ですよね。わかります。わかりますとも。

イタリア語、どんな本を使ってどんな勉強をすればいいのかわからない!
という後輩の嘆きを立て続けに聞き、彼らにアドバイスをするためにもちょっと一回自分がどんな勉強をしてきたのかまとめてみようかと立ち上がった昔の記事を発掘してきたので、多少手を加えてもう一度公開することにしました。

まあ、私もそんなにイタリア語出来るわけじゃないんですけどね。
勉強していない人よりは出来る。イタリア語検定3級はたぶん大丈夫。それくらいです。
でも、これらの教材をしっかりやり尽くしたら準2級くらい取れないかしら。無理かしら。

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■目次

  1. 問題集
  2. 文例集
  3. リスニング用
  4. 辞書・単語帳
  5. その他

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・問題集

しっかり身につくイタリア語トレーニングブック
入江たまよ 著

問題量も豊富で、この1冊を繰り返し解けば基本的な文法はマスター出来ます。
私が学生の頃は紙のものしかありませんでしたが、今では電子版も出ているので持ち運びも簡単に。
最近Kindle版を買い直しました。

ちなみに著者の入江たまよ先生はNHKの「まいにちイタリア語」でも講師を勤めていた方です。
とてもためになる楽しい講座だったなー、という記憶があります。

一点、上の本は解説の面が少し薄いので、

しっかり学ぶイタリア語 文法と練習問題
一ノ瀬俊和 著

独学に使うには最適で、かなり詳しく文法の解説が載っています。レベル的にはたぶん3級まで通用するくらいで、「トレーニングブック」と同等のレベルまで対応しています。
上の本と比べたら解説が多めで、その分練習問題が少ない、と考えれば大丈夫。
先生がいるのならこちらの本はなくてもいいかもしれませんが、一人で勉強する時間が多いなら、やっぱりあったほうがいいかもしれません。
さらに詳しい文法書も出版されてますが、最初のとっかかりとしてはちょうど良いレベルかと思います。

・文例集

私がイタリア語の勉強をしていて、次に必要だと感じたのは、短文の作成能力でした。
これはイタリア語検定を受けようと考え始めたこともあったからなんですけど、とにかくまずはたくさん短い文章に触れて、出来れば覚えて使いこなせるような文例集が欲しい、と思ったのを覚えてます。

NHKイタリア語 書ける! 話せる! 実用文例800
木下太郎 著

NHKと付いている通り、これはもともとNHKラジオイタリア語講座応用編「太郎・カロリーナの表現力養成講座(1999年1月〜3月)に放送された練習問題をまとめたものだそうです。
(「はじめに」に書いてあった)

テーマが52個あって、その中でだいたい15-20弱くらいの文章が掲載されています。
例えば第1課は「好き・嫌い1」となっています。
1つの課は4ページで構成されていて、最初の2ページは基本表現。後半2ページは応用練習です。

基本表現の見開きの左ページには

〜が好き a + 人 + piacere + 主語
〜するのが好き ・・・
〜が嫌い ・・・
〜を愛する ・・・
〜を憎む ・・・
〜に夢中だ ・・・

(・・・のところはちゃんと使い方書いてあります)

これに加えてさらに短い日本語の例文が掲載されています。
上の例だと例文は

私の姉はイタリアが好きです。
私はイタリアが好きです。
私は旅行をするのが好きです。


みたいな感じ。
ワンポイント解説や語句の掲載もあります。

これが左のページで、右のページには例文のイタリア語訳。
なので、左のページを見てイタリア語訳して、右のページを見る。という使い方が一般的なのかなと思います。

ページをめくった応用練習のほうには、これらの表現を用いたちょっと複雑な例文が掲載されています。
例えば、

私はローマでは、ミケランジェロが設計したあのルネサンス様式の広場が気に入りました。

こんな例文です。結構難しい。

ページレイアウトは基本編と同じなので、左に日本語、右にイタリア語です。
私はこれらの文章が、和訳を見てイタリア語訳出来るようにひたすら覚えました。
ひとつの例文につき、できなかったら10回書いて、それでも覚えられなかったらまた書いて。
最初は1日5〜6ページくらい、1〜2時間くらいやって、1ヶ月で1冊通るくらいのペースでやったんだったかな。
ついでに、これがスラスラと読めるように音読の訓練にも使いました。
たしか学部3年の時だったと思いますが、これをやってからイタリア語が一番勉強しやすい、と思えるようになったのを覚えてます。
CDがあれば最高だったんですが、残念ながら音声はありません。それだけが残念なところですが、文章作成のとっかかりとして、超超オススメしたいです。

残念ながら今は絶版の様子。アマゾンでも中古しかありません。
この本が電子化されて、尚且つ音声つきになったら最高なんですけどね。

この本と同じような感覚で使えそうなのがこちらの本。

口が覚えるイタリア語 スピーキング体得トレーニング
森口いずみ 著

2枚組のCD付き文例集です。Kindle版を買うと「オーディオブック」というアプリで音源をダウンロードすることが出来ます。
このアプリ、再生速度が変更できるのが大変有能で、もう勉強が終わってる文例は1.5倍速で流す。まだスラスラと口から出てこない文例は通常の速度で流す、という聴き方が可能です。
この教材を使い始めたのは結構最近ですが、簡単な作文がスラスラ出来るようになってきました。
読んだら日本語に訳さなくてもわかる程度の文章ですら、いざ何もないところから作文しようと思うと固まる時間が長かったので、その時間が短くなってきたのは大変喜ばしいです。

日記を書いて身につけるイタリア語
張あさ子 著

さらにステップアップとして自主的な作文をしようと思った時に、日記は使いやすいです。
この本は文法の解説も一通り収録されていて、日記だからでしょうね、特に時制の解説が詳しく載っていますが、現在形などの解説はすっ飛ばしてるのでこれだけで勉強するのはちょっと難しいです。


次に、大量の構文。とはいえ難しいものというわけではなく、例えば

学校へ行く andare a scuola

みたいな文章です。
こんな簡単なやつかよ!とか思うかもしれませんが、意外と日本語だけ見ていると、前置詞に a を使うのか in を使うのかわからなくなったりするんですから!
これがつまり、訳せるけど書けないっていうレベルなんですよ! 人のこと言えないけれども!

こういうのはもう、ひたすら使うしかないんですよ。もうリズムで覚えちゃう。考える前に出てくるように、繰り返す。
ひたすらにぶつぶつと「あんだぁれあすくぉおらあんだぁれあすくぉおら」と唱え続けましょう。

こういう短い構文の嵐を抜けると、次に短文の作成例が出てきます。後半くらいのレベルになると、訳すのは簡単だけど、作文するのは難しいと感じる文章が多くなります。
この本を使って、自分の中でおきまりのフレーズを幾つか作っておけば、それで単語数は十分。イタリア語検定3級の作文くらいは楽々突破できるはずです。


・リスニング用

耳が喜ぶイタリア語
ジョヴァンニ・アモレッティ 著

この本を使い始めた当時は、正直ものすごい難しさにたまげました。
たしか第1章がイタリア語検定5級、2章が4級、3章が3級レベル、という紹介文句だったんですけど、いやいやいやいやいや、難しいよ。
3級受ける予定だったのに、第1章からして全然聞き取れませんでしたもん。文章見れば意味はわかるんですけどね。

でも、イタリア語検定のリスニングってかなり難しい、というか早いんですよね。
「実用イタリア語検定」の名にふさわしく、5級あっても実用を求めているため、リスニングで喋る速度は相当早い。手加減なし。というのをたしかどこかで読んだ気がします。たしか。たしか。
そう考えると、あながち嘘でもないのか……?
いや、それでもやっぱり文章自体も難しいと思います。検定のレベルにあってるのは文章の長さくらいなもんだと思われます。
ついでに、長文読解用の練習にしてもグッドなはず。

ちなみにこの記事を書き直すにあたって調べたところ、現在は改訂版になっていました。STEP3の内容が時代に合わせて変更されたとか。

ニューシネマパラダイス

いや、ここはNuovo Cinema Paradisoと表記するべきでしょうか。
言わずと知れた名作ですね。
でも、リスニングの勉強だ!と思って見るとちょっと疲れちゃうんですよね(遠い目
映画は楽しく観たいと思うと、私はあんまり向いてなかったかもしれません。
もう少しリスニングに余裕が出てきたら、映画も楽しく見られるかも。

・辞書・単語帳

ところで。
忘れてました。辞書。
これが何よりまず最初に買わないといけないアイテムです。

とはいえ、イタリア語はあまり選択肢がないです。
「ポケットプログレッシブ伊和・和伊辞典」か「伊和中辞典」か、でしょうか。

ポケットプログレッシブ伊和・和伊辞典

伊和中辞典

ポケットプログレッシブは持ち運びには便利ですが、本格的に勉強に使うなら伊和中辞典一択です。
特にイタリア語を専門にするつもり、あるいは声楽家になろうとするならここはケチれません。残念ながら。

ただ、伊和中辞典はいい値段がします。
なので、個人的におすすめするのは、アプリ版です。

伊和・和伊中辞典 – 物書堂



iPhoneなら上の辞典が使えます。開発している「物書堂」さんは、Macのソフト開発専門の会社だそうで、残念ながらAndroid版はありません。
内容は伊和中辞典そのままに、お値段はちょっと安い。それでも5000円弱するんですけどね。稀にセールがあります。

ポケットプログレッシブは3000円強、紙の伊和中辞典は7000円強なので、ちょうど中間くらいですね。
紙の辞書もあったほうがいいとは思いますけど、安さと内容を重視するならこれが一番です。
実際、私は今これしか使ってません。辞書持ち込み可の試験とかは、紙辞書しか使えないですが。

それから単語帳も必要だと思います。
これは大学院に入ってから買いましたが、やはり語学は語彙が命。

イタリア基本単語帳
秋山余思 著

まあ、はっきり言ってキャッチーではないです。今時のフルカラーとかではありません。
覚えやすく種類分けとかもされてなくて、要は掲載数の少ない辞書みたいな感じで、
重要な単語がアルファベット順に並んでいるだけです。が、ここにある単語を全部覚えたら大分辞書なしで読めるようになります。全部覚えてなくても効果は感じました。
収録されている単語は確かに頻出のものだと思いますし、覚悟を決めて取り組めば確実に成果が出る類の単語帳だと思われます。

私もこれを書いていて思い出したので、しばらくぶりにやり直そうかと思ってます。相当忘れてそう。
私は最初、まず単語を覚えて、次に例文を日本語からイタリア語に直せるように練習しました。
文例集で紹介した本に近い使い方ですね。

・その他

そういえばこんなのもあったという本をピックアップ。

Dolce italiano
Allessandro Giovanni Gerevini 著

イタリア語のエッセイ。
中くらいの長さのエッセイが20編収録されているのですが、左ページがイタリア語、右ページが日本語。
それらはもちろん対応関係を持っているのですが、これはまず日本語で書かれて、それを著者自身がイタリア語訳したものなんです。
ん、著者イタリア人やん。みたいな。え、本当にイタリア人なの??
このアレッサンドロ先生、恐ろしいほど日本語が上手です。本当に、文章作成力は我々ネイティブとまったく変わりません。我々とか言っちゃいけない。たぶん私より文章力高いです。
内容はとてもキュートで面白い。ですが、結構難易度は高めです。今でも私はサラサラとは読めませんし、単語の意味をひいてもうまくイタリア語から日本語に訳せない部分がたくさんあります。
これがささっと読めたらきっと上級者。頑張ろう。
第2弾も発売されています。

パーネ・アモーレ イタリア語通訳奮闘記
田丸公美子 著

最後は完全なる日本語の本。終着点が思いっきりズレてしまいましたが、これもまたよし。
イタリア語通訳の田丸公美子さんという方のエッセイ。これがまた面白いのですよ。本当に。
通訳をしながら体験した面白話や、修行時代の話。仕事であったイタリアの著名人の話などなど。
もちろん苦労話あり、ちょっとほろりとくる話もあり、もう、こういう文章センスのある人本当に尊敬します!
こういう風に楽しい文章書けるようになりたいものです。

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以上。
まだ紹介していないものもあるにはあるのですが、これだけあれば一通りの勉強(と息抜き)には困らないのではないかと!
それにしても、結構大量に持ってるもんですね。参考書って。
そりゃ、本の置き場所にも困るってもんです。

もしオススメの教材があったら教えてくださいませ。
ではでは。勉強頑張りましょう!